2024.1.19
藤娘きぬたやのお取り扱いスタート
日本の絞り染めの先駆者と言われ軍を抜いて素晴らしい作品が揃う老舗「 藤娘きぬたや 」。この度、THE TREAT DRESSING(ザ トリート ドレッシング)にて、藤娘きぬたやの中でも最高峰の本振袖のお取り扱いがスタートしました。日本で唯一の一本の本振袖。価値を考えれば価格も当然安価ではありません。ただ、ザ トリート ドレッシングはこの本振袖に敬意を払い、レンタルという形でより多くの花嫁にお届けしたいと思いました。
藤娘きぬたやとの出会いと買い付けを決めた理由
2023年4月京都の和装買い付けで初めて訪れた藤娘きぬたや。その時に見た、まるで風によって踊るように悠々と花が咲き誇る絞り染めの本振袖の美しさに思わず涙がでました。しかし、あと数年したらこんなにも美しい作品を見ることはできないかもしれない。この1本の総絞りが完成するまでに何人もの職人が約6年の年月をかけて製作しており、職人のご年齢を考えるとこれが最後の出会いになるかもしれない。何もできない無力さと、でも今ならこの奇跡を経て完成した作品に触れることができ、買い付けをすることはできるかもしれない…という希望が頭を交差して胸がいっぱいになりました。
この世にはこんなにも美しいものがたくさんあるのに、子供たちは職人の手から産まれた「本物」に触れることができないかもしれない。日本が誇る職人技をザ トリート ドレッシングから発信していきたい。そんな想いで、藤娘きぬたやの本振袖の買い付けを決意しました。
「本物」の和装とトリートの出会い
そもそもなぜトリートが和装にここまで力を入れているのか。5〜6年前、現バイヤーが京都の和装展示会に行った際のことです。展示会最終日に訪れた取引先にアンティークの袋帯が飾られていました。それがハマナスの柄の袋帯。一瞬にして惚れ込み目が離せませんでした。「このハマナスの柄で色打掛を作れないですか?」とダメ元で伺いました。これがその後のトリートオリジナル着物に至るのですが、ただ「今っぽい」「洋の雰囲気もある」「モダン」のように目新しいものを作っただけというのにはしたくない。トリートが考える「本物」の和装とは、決して和の趣を崩すことなく、品があり洗練されている。だけどこれまで出会ったことがないようなフレッシュさもある。モダンという言葉だけでは終わらせたくないストーリーがあること。このハマナスの袋帯との出会いをきっかけにトリートでしか作れないものをお届けしたいと心に誓ったのでした。
ドレスショップが日本の伝統工芸を守る
知れば知るほど和装の魅力に惹かれつつ、その技術が間も無く息を途絶えようとしているという現実を目の当たりにしました。日本の歴史の中で育まれ、千年の時を越えて継承されてきた日本だけの伝統技術。四季があり豊かな水や緑に囲まれる日本で育まれてきた美的色彩や感覚。着物には衣服としての役割だけではなく、そういった日本の文化を色濃く反映し伝える役割もありました。これらすべてが、和装の歴史の尊さであり本質的な価値でもあります。今後失われてゆくかもしれない和装の価値に、いよいよ本当の意味で目を向けるときがきたのです。私たちがお取り扱いすることで日本の尊い伝統工芸を守りたい。藤娘きぬたやの本振袖をお取り扱いをさせていただいたことは光栄であり心から誇りに思います。藤娘きぬたやの伝統工芸をザ トリート ドレッシングから発信していきます。
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