茂みの中で小鳥が戯れあっているような、
姿は見えないけれど囀りが聞こえてくるような・・・
そんな平和で穏やかなシーンが色打掛にそのまま投影されています。
地色は天鵞絨(びろうど)とよばれる、
ビロードの生地のような濃い青みの緑色。
地布は細く光沢のない生糸を用いる事で、
白小花の存在感を一層際立てるのです。
色鮮やかな尾長鳥の橙色が華やかさと遊び心を感じさせます。
通常赤が多い色打掛の裏地は敢えて同系色の緑に、
裾・袖口の袘(ふき)はアクセントで銀色で仕立てた、
古典な色合いながらも洗練された雰囲気の色打掛です。