今回はタキシードの印象を左右するカマーバンドについてご紹介させていただきます。タキシードをお召しになられる際には世界基準でドレスコードが存在しており、オーセンティックなブラック、そしてミッドナイトブルーのタキシードのみが世界的にフォーマルと正式に認められています。フォーマルタキシードを身に纏い新婦様をエスコートすることが男性としての身嗜みとされています。厳格なドレスコードが決められているフォーマルタキシードの中でも全身の雰囲気を大きく変え、ご自身で選択できるのがベストをお召しになるかカマーバンドを巻くかという点です。今回はTHE TREAT DRESSING（ザ・トリート・ドレッシング）名古屋店よりカマーバンドの歴史や着こなしについてご紹介させていただきます。

カマーバンドの歴史

実はカマーバンドの歴史を遡ると、発祥はタキシードのルーツと言われているイギリスやアメリカではなくインドと言われています。19世紀後半イギリスの植民地だったインドではイギリス人の将校達が駐留しており、将校達は伝統を守り、毎晩スリーピースのタキシードを着こなしていましたが、インドの熱帯な気候に耐えられずベスト脱いでしまいます。しかし、シャツは下着扱いとされておりベストがないタキシードに違和感を感じた将校達は、ラクダに乗って砂漠を渡る商人達が腰に巻いている帯の布を真似て腰に巻いたのがカマーバンドの始まりと言われております。当時、タキシードにはベストを着用する事が主流でしたが、カマーバンドの洒落た見た目や機能性も相まって瞬く間に世界に広まっていきました。

カマーバンドの着こなしについて

タキシードを着用する際には細かなドレスコードが存在するようにカマーバンドを着用する際にも細かなルールが存在します。まずカマーバンドはベストを簡略化したものになるためベストは着用しません。また昔はシャツは下着という認識が常識の時代だったため、ジャケットを脱いでカマーバンドとシャツのみで過ごすことは、紳士の身嗜みとしては良くないとされておりジャケットは必須です。加えてカマーバンドはプリーツが入っているのが特徴的で、このプリーツは上に向くように巻くのがルールとなっております。このプリーツはもともと商人達が小銭を入れる際に使用していた物入れの要素がありその名残で、そのままヨーロッパでも広まったカマーバンドは舞踏会やパーティーに行く際などのチケットを挟み、粋に着こなす使われ方をされていたようです。

時代を超えて紳士に愛されるカマーバンドの魅力

カマーバンドがフォーマルスタイルとして浸透し、普遍的なスタイルへと確立され愛用されている理由は、新婦様をエスコートする新郎様として厳格なドレスコードがある中でもカマーバンドを着用することで、ベストスタイルでは引き出すことができない華やかさや洒落感を醸し出し、特別感のある着こなしができるからです。カマーバンドを巻く際におすすめさせていただくのは、プリーツシャツと組み合わせです。ベストとは異なり広く空いた胸元にプリーツシャツをお召しいただくことでクラシカルで上品な印象に昇華していただけます。またプリーツシャツの中でも施されているプリーツ幅の間隔の違いでも印象が大きく変わるため、シャツの細部までこだわってみても良いのではないでしょうか。

生地感の異なるおすすめのカマーバンドの紹介

トリートジェントルマンでは二種類のカマーバンドをご用意しており、サテン生地で作られたカマーバンドとグログランで織られたカマーバンドの2種類です。カマーバンドを着用する際は蝶ネクタイも共生地のものを着用していただくと相性が良く、コーディネートにまとまりが生まれ、品よくお召しいただけます。サテンは美しい光沢感と生地のボリューム感が特徴で、お顔周り光を集めてくれ、エレガントさを漂わせます。対してグログラン生地は細い糸、太い糸を使って織ることで、木目や波模様のようなが浮き立つ生地感が特徴です。他生地に比べるとより密に織ってあるため、重厚感があり、グログラン特有の光沢感で光を鈍く反射させることで、男性の凛とした空気感や高貴な雰囲気を与えてくれます。お二人が選び抜いたタキシードに合わせて素材感までセレクトし、当日のお衣装選びをしてみてはいかがでしょうか。

cummerbund：311-07977〈右/サテン〉

311-7978〈左/グログラン〉

フォーマルタキシードのスタイルの中で、ご自身らしさの幅を表現していただけるカマーバンド。長い歴史の中で愛され続けるカマーバンドは上品さや色気という点では、これ以上ないアイテムです。ベストを用いたフォーマルスタイルとは一味違ったアクセントを楽しんでみてはいかがでしょうか。THE TREAT DRESSING（ザ・トリート・ドレッシング）名古屋店ではお二人のパーティーのイメージに合わせた新郎様のコーディネートをご提案させていただきます。皆様のご来店、心よりお待ちしております。