2022.6.19
トリート オリジナル着物 入荷のお知らせ -TREAT KIMONOとは-
ウェディングドレスのセレクトショップのTHE TREAT DRESSINGがオリジナル着物を製作いたしました。色打掛3look、白無垢1lookの合計4デザイン。柄行・色彩、全てトリートが監修したオリジナルデザインです。製作のプロジェクトをスタートしたのは2021年初旬。このようなご時世の中で、素晴らしい作品が完成いたしましたのは、製作に携わってくださいました多くの職人の皆様、そして着物業界のプロフェッショナルの皆様のおかげです。感謝申し上げます。
トリート オリジナル着物製作の経緯
「日本といえば和婚の文化ですよね」「トリートはどんな着物をセレクトしているの?」デザイナーTOMO KOIZUMI さんとコラボレーションさせていただいた際、世界のファッション業界の皆様から多くいただいたご質問です。私たちがセレクトする着物は、一目見て心をくすぐられる着物だともちろん胸を張ってお答えしました。しかし、もっとできることがあるのではないか、との想いは拭いきれませんでした。ちょうど、パンデミックの影響を受けて、日本のウェディング業界における着物需要にも変化があり、どんなシーンでも「着物を身にまとう喜びを感じていただきたい」との思いから、オリジナル着物の製作に挑戦することを決めました。
トリートが考える本物の着物とは
私たちトリートが考える本物の着物スタイルとは?モダンな柄行であること?目新しい色合わせであること?エッジィの効いたヘアメイクを楽しむこと?・・・色々と考えが巡るなか、たどり着いた答えは、“決して和の趣を崩すことなく、品があり、洗練されている。だけど、これまで出会ったことのないようなフレッシュさもある。「モダン」という言葉だけでは終わらせたくない、ストーリーがあること。” でした。
このストーリーをもっと確信的なものにするため、数年前から日本の伝統工芸に目を向け、本漆や蒔絵で彩られた簪、手組の帯締め、西陣織などの高級帯、コッポリ、横振刺繍の髪飾り…など少しずつ、職人の手から生まれた作品をセレクトしてきました。着物に関してもここ最近はすべて正絹のもの、そして国内で製作されたものを中心に買い付けを行ってきました。
人生の中で着物を着る機会は限られているからこそ、私たちトリートはお客様に「本物」を提供できるセレクトショップでありたい…そう心から思っています。
トリート オリジナル白無垢について
「座れば牡丹、歩く姿は百合」と、日本女性の美しい姿の象徴として例えられてきた百合の花をインスピレーションにした白無垢。大きな花弁がダイナミックに咲き誇る様子を表現しました。白無垢といえば、金刺繍や銀刺繍、そして赤線・赤裏で遊び心を加えるのが一般的ですが、より多くのシーンでご着用いただける白無垢にしたいと、銅刺繍を用いて、アイボリーやピンクベージュの色を混じえて絶妙なニュアンスカラーを表現しました。正絹糸を使用した京正絹刺繍の白無垢の完成です。京正絹刺繍とは、横振り刺繍といったミシンを使った刺繍法で、柄起こしは大枠の下書きのみで、細かなグラデーションなどは職人のさじ加減によって完成する、まさに職人技が光る技法です。
同じ刺繍を添えた綿帽子に、半衿、お草履、長襦袢、お小物もすべて、この白無垢に合わせてデザインを考え、製作いたしました。長浜の古代ちりめんに全体に自然なタッチで百合を描き、京都の熟練された職人による圧倒的な横振刺繍量で贅沢に縫い上げられた白無垢。白無垢としては新しい、生成、黄色、モカ色、そして特注の銅色に染めた金糸の配色によって、百合の花の重なりが衣裳全体に大きな存在感を醸し出します。
200-3706「華麗百合文様」
トリート オリジナル色打掛について
トリートらしい桃色「富貴芙蓉文」、白無垢に用いた銅刺繍を取り入れた「孔雀に芍薬」、ビロードの生地のような深い緑色の「絢爛小花に尾長鳥」の3lookが完成しました。半衿や草履、長襦袢、お小物すべて・・・白無垢同様、色打掛もトータルコーディネートを楽しんでいただけるようにオリジナルデザインを製作いたしました。
効かせる色、抜け感をつくりだす色、パステル系でも洗練度が高いもの・・・刺繍に使用する糸の色もすべて選定しました。糸の色選びは、一歩間違えると出来栄えが左右するほど、奥が深く難しいもの。たとえ数ミリの範囲でさえも、そこにはトリートの世界観が詰まっていて、一色一色に想いを込めて慎重に選びました。
柄行を最大限に美しく魅せるために絶対に譲ることができなかったMADE IN JAPANへのこだわり。海外で製作することが増えてきている時代ですが、職人技が光る立体的な絵柄が魅力の京都西陣織に、刺繍の量が1番多く精密さが美しい京正絹刺繍。多くの職人の皆様のお力添えのおかげで、MADE IN JAPANの着物がここに完成しました。白無垢に色打掛、「日本が誇る伝統技術で、日本で製作された着物」それがトリート オリジナル着物です。
室町時代より豪華な着物に用いられてきた唐織技法で製作したのは、芙蓉のお花を描いた色打掛。トリートらしい幸福感を感じられる桃色をメインに使用し、アクセントとして忍ばせたヒワグリーンがいいアクセントになっています。さらには、大柄の芙蓉の裏に織り込まれたコスモスの柄が、より一層奥行き印象に仕上げてくれました。やわらかな色調でありながら唐織のボリューム感と絹糸の光沢が重厚感と気品を感じさせます。組紐をアレンジした和髪スタイルを楽しんでいただくのもおすすめです。
201-3939「富貴芙蓉文」
刺繍針に通せない太い金糸を下絵に沿ってはわせ、綴じ糸で留めていく金駒刺繍。見事に、太い金糸の目が揃い金色が良く映えた着物に仕上がりました。赤や紫などの鮮やかな色彩が多い色打掛ですが、今までにありそうでなかった色合わせによって、孔雀の豪華さと高貴さを表現しました。羽模様には、アイスブルーやグレー、アイスグリーンにピンクなど・・・複数のペールトーンを使用し、絶妙なグラデーションが実現。まるで羽根に光が当たっているかのような印象を受けます。モダンでファッショナブルなコーディネートを楽しんでいただきたいです。
201-3940「孔雀に芍薬」
茂みの中で小鳥が戯れあっているような、姿は見えないけれど囀りが聞こえてくるような・・・そんなシーンをイメージしてデザインしました。地色は天鵞絨とよばれる、ビロードの生地のような濃い青みの緑色で、錦地で細い光沢のない生糸を用い深みを出すことで、浮織の白の小花が存在感を放ちます。正倉院宝物や、染織品では有職織物や総装束の文様に良く使われ、日本人に愛されてきた尾長鳥。可憐で優美な出立ちが、鳳凰と同様に多くの日本女性に愛されてきたと言われています。古典着物らしい趣のある着こなしと、モダンな着こなしの両方を楽しんでいただくことができる色打掛が完成しました。
201-3941「絢爛小花に尾長鳥」
トリートがつくるオリジナル着物。
それは、
日本人が愛した古の文化に思いを馳せて
粋な柄合わせ 色合わせによって 幸福感を感じられるもの
日本の職人の手によって、長い歳月をかけて完成したMADE IN JAPANの着物たち。この着物たちが、日本の素晴らしい伝統文化を世界に広げるきっかけとなることを願っています。
※全国のTHE TREAT DRESSINGにてお取り扱いしております。白無垢の入荷は7月初旬を予定しております。
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